会社の定義
会社法第2条参照 (以下「会社法」を「法」と記します。)
会社の種類
1.会社 株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社をいう。
1 株式会社
株式会社は、会社法上、発行する株式の種類により、大きく2種類に分かれます。
公開会社
その発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社をいう(法第2条5号)。
非公開会社
公開会社以外の全株式会社をいいます。会社法に正式な名称は存在しませんが、公開会社に非ざる会社という意味で非公開会社と呼ばれています。
定款に株式の譲渡制限が設定されている会社であり、株式を譲渡(売却・贈与等)するためには、「株主総会」「取締役会」などの承認を経なければ、有効に譲渡できない(会社に権利を主張できない)会社です。中小企業を始めとして、ほとんどの会社が非公開会社です。
株式会社の機関
株主総会
株主総会の権限
取締役会を設置しているか、していないかによって大きく分かれます。
取締役会非設置会社
法第295条第1項で、株主総会の権限として、
「株主総会は、この法律(会社法)に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議をすることができる」と規定しております。広範な権限を有しており、株主総会万能主義と言われております。
取締役会設置会社
同第2項で、「前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる」と権限が制限されております。
会社法に規定する事項として主なものとして、
・定款変更
・取締役等役員の選任・解任に関する事項
・会社の組織再編に関する事項(ただし例外有り)
・解散
・自己株式の取得など株主の重要な利益に関する事項
が挙げられます。
株主総会の種類
定時株主総会
臨時株主総会
株主総会決議 (法第309条)
株主総会決議とは、株主が会社の意思決定を行う決議のことです。会社法に別段の定めがある場合を除き、普通決議の方法により株主総会は決議を行います(法309条1項)。
普通決議
「議決権を行使可能な株主の議決権の過半数を定足数(注1)とし、出席株主の議決権の過半数により決議する。」
定款に別段の定め(以下「別段の定め」といいます。)を設けることで、定足数を完全に排除することも可能です。
役員選任のための決議(特殊普通決議)
役員選任の決議も普通決議ですが、定足数を3分の1を下回る割合に設定することはできず、決議要件は過半数を上回る割合にのみ設定できます(法第341条)。
(注1) 定足数とは議決に必要な出席数のことです。
特別決議
「議決権を行使可能な株主の議決権の過半数を定足数とし、出席株主の議決権の3分の2以上により決議する。」
別段の定めにより、要件を変更することが可能ですが、その場合でも、定足数は3分の1を下回る割合を設定することはできず、決議要件は3分の2以上の割合にのみ設定できます。
*特例有限会社においては、株主総会の特別決議の要件は、総株主の半数以上で当該株主の議決権の4分の3以上とされています(整備法14条3項)。別段の定めにより、総株主の半数以上を上回る割合とすることが可能です。
特殊決議
309条3項の特殊決議
定足数に制限はなく、議決権を行使可能な株主の半数以上(議決権の過半数ではない)と、議決権を行使可能な株主の議決権の3分の2以上に当たる多数により決議する。
別段の定めにより、要件の変更は可能ですが、法定の要件を上回る割合のみ設定できます。
309条4項の特殊決議
定足数に制限はなく、総株主数の半数以上の株主(議決権の過半数ではない)と、総株主の議決権の4分の3以上により決議する。
別段の定めにより、要件の変更は可能ですが、法定の要件を上回る割合のみ設定できます。